「1990年の少年」駄文の実験場

妄想の日々を文書化しブログに流し込む事にしました。例えるなら脳内のトイレです。

パン工場の不適切動画に関する問題

■犬がパンをこねる動画をめぐる騒動の発端

インターネットの動画共有サイトにおいて「犬」がパンをこねているというショッキングな動画が投稿され世間の注目を浴びている。

事件の発端は昨年末の事である。

アカウント名、BAIKIN(バイキン)と名乗るユーザによってこの「犬」の動画が投稿され、瞬く間に炎上。そしてパンをこねていた場所とされるパン工場は今年に入ってから操業停止に追い込まれている。

炎上の理由はおおむね以下のとおりである。

「衛生的に問題である」

「手つきがかなり手馴れている」

「常習性が感じられる」

「男や女もいるが注意していない」

この炎上騒動を受け、パン工場のオフィシャルホームページでは騒動に対する謝罪と再発防止に関する説明文書が公開された。

 

パン工場における不適切なパンの取り扱いに関しまして】 

この度は弊社「三鷹ベーカリー本社工場」において不適切なパンの取り扱いがあった点に関しまして深く反省し、謝罪を申し上げます。

多くのご指摘がありました通り、弊社の工場内で「犬」がパンをこねていたという事実に間違いはございません。

今回の件におきましては非常に多くの消費者様、関係者様にご迷惑をお掛けいたしましたことをお詫び申し上げます。

動画に出てきた「犬」につきましては保健所と相談のうえ「殺処分」が既に完了しております。

こねていたパンにつきましては豚や牛など家畜の「飼料」として出荷している商品でございますので、一般の方に流通している商品ではございません。ご安心頂きたいという事をこの場を借りましてお知らせ申し上げます。

20xx年1月30日 三鷹ベーカリー株式会社

総務人事部長 サワークリーム端子(ばたこ)

 

この謝罪文を受け、カバオは「家畜とは我々の事か!」とブログにて怒りをあらわにした。カバオのブログがさらなる炎上の火種となり、事態は長期戦の様相を呈してきている。


■工場関係者による緊急記者会見

ワイドショーでは連日このパン工場の不適切動画問題が取り上げられ、視聴者の怒りを煽る者、犬は悪くないと熱弁する者、パンのうまさは本物であると主張する者など、非常に多岐にわたる舌戦をみせている。

これらの事態が風雲急を告げ、ついにパン工場関係者が「緊急記者会見」を開くことになった。

 

20xx年2月8日 14:00 三鷹ベーカリー本社にて 

[端子]:えー、本日は三鷹ベーカリー本社工場内で撮影された不適切動画問題に関するご説明をさせて頂きます。総務人事部部長のサワークリーム端子でございます。

[端子]:まずは何故「犬」が工場内で作業していたのかという点でございますが、彼とは弊社の創業時からの付き合いでございまして、正直なところ「犬」であるという部分を考えないようにしていたといいますか、社員一丸となって工場を盛り立ててまいりましたので、誰も「犬」であるという所をあえて指摘しなかったような、そんな風土が形作られていたものであるかと言えるかと存じます。

[記者]:奥多摩テレビの和田と申します。部長にお伺いしますが。我々がよく知っている「犬」、英語では「Dog」ですかね。その「犬」で間違いないでしょうか?

[端子]:はい。「犬」で間違いございません。社長以下わたくしも含め彼を普通の社員のように接して来ましたので、本当は実は彼は「犬」ではないのではないかという空気みたいなものがあったかもしれません。しかし改めて彼の顔を見てみると間違いなく「犬」でございました。とは言うものの彼はパンをこねる技術だけは並々ならぬものを持っておりましたので、弊社の創業時からの同じパン職人の同志として接してまいりました、ですからあのような動画をきっかけに非常に様々なご意見を頂戴したことになりましたが、正直なところ悪いのは会社のほうでありまして、彼本人は悪くないという部分を本日はお話させて頂きたいという風に思っております。

[記者]:伊豆テレビの山口と申します。部長にお伺いしますが、「犬」はもう殺処分されたというお話は本当なのでしょうか? 実際のところ犬は悪くないのであればそこまでする必要はなかったのではないでしょうか?

[端子]:「犬」の処分につきましては事実でございます。これはあくまで保健所と相談した結果でございまして、社の方針とは少し想定が異なる結果となっております。あくまで「犬」として見た場合の周りへの影響を考慮した結果でございます。周りに疫病やウィルスを媒介としないための処置でございまして、心情としましては彼もいっしょにこれからも会社を経営していく仲間であると考えており、今回の件は残念でしたが彼に関しては手厚く弔ってまいりたいと考えております。

[記者]:大阪なんでやねんTVのと吉田と申します。部長にお伺いします。三鷹ベーカリーの本社工場に関する質問でございます。近頃「パンを頭に被った不審人物に関する目撃情報」が近隣住民の間で話題になっているという事をご存知でしょうか? 御社と何か関係があるのではないでしょうか?

[端子]:把握しております。「パンを頭に被った不審人物」につきましては弊社とは一切関係ございません。この件につきましては警察に既に相談しており、警察のほうでも警備を強化して頂くとの回答を頂いております。

 

■不適切な動画に関するまとめサイト

インターネット上では今回の炎上騒動が発生した直後、数々のまとめサイトが立ち上がり、有象無象の情報戦が繰り広げられている。

 

【犬は過去にも車運転!? 端子可愛い。彼氏は!? カップ数は!? 】

こんにちは。まとめサイトの作成者ドキンです。

端子さんの謝罪会見は見ましたか?端子さんまだお若いのに社長に代わって記者会見を行うなんてしっかりしていますよね。そんな端子さんですが、過去をちょっと調べてみたら昔も同じような炎上騒ぎを起こしているみたいですよ。どのような事件だったのでしょうか?

1.犬の運転騒動
2.投げたパンがうさ子に当たる
3.最終学歴は?
4.彼氏は?
5.端子さんの可愛い水着写真!?

 


1.犬の運転騒動

もうすっかり「犬」で定着してしまいましたねぇ。この「犬」さん。過去には車を運転していた動画が流出したこともあったんです!?(リンクはこちら⇒)httpp://youtube.coo/one_wat9h/

どうですか~。とても良い顔して運転していますよね。でももう殺処分されちゃったんですよね。可哀そうですね。

2.投げた顔がウサ子に当たる

そんな端子さん。過去には投げたパンがウサ子ちゃんに当たっちゃったんですって。それを見て怒ったチビゾウ君がパンを投げ返したんだけど鼻で投げ返すときに上手くコントロールできなかったんだって。

3.最終学歴

端子さんは東京都大田区にある「製菓専門学校」の卒業生のようです。彼女のFaceBookを見ると当時のコメントが閲覧できますね。当時は先生にとても厳しく指導されてたみたいですね。最後の更新は「うざっ。ウチのが甘いしwww」って書いてありました。

4.彼氏は?

端子さんのSNSや過去のニュースを見る限り彼氏はできたことがないようです。でも彼女は可愛いからいつかは素敵な彼氏もできそうですよね。

5.端子さんの可愛い水着写真!?

製菓学校には卒業制作というものがあるんだそうです。端子さんはお菓子で「可愛いお人形」をつくったみたいです。そのお菓子人形の中には、なんと「水着」の人形もあったみたいですよ。


 ■不適切動画騒動のその後

一連の不適切動画の騒動により、三鷹ベーカリー本社工場には連日のようにマスコミ、警察、ユーチューバ―が押し寄せる事態となり、近隣住民の不満が爆発。工場は売却する事を余儀なくされた。

三鷹ベーカリーは本社工場の施設とその土地全てを山崎パンに売却、そしてそこで得た資金を元に、日本アルプスの人目のつかない山のふもとに新たな工場を新設した。

旧本社工場周辺で目撃されていたパン人間に関しては、その後も目撃談が絶えず、一時はネット上で「犬」の動画の以上の盛り上がりを見せていた。

 住民の目撃談によると、パン人間は常に頭にパンを被っており、パトロールと称し近所を徘徊しているという事であった。また、住民に出会うと「僕の顔を食べなよ」と発言していたとの事であった。

しかし、そのあと週刊誌の取材によりパン人間の正体が判明することとなった。実はパン人間の正体は、三鷹ベーカリー社長の息子だったのだ。

そして、週刊誌の取材をきっかけに三鷹ベーカリー社長の息子の過去が次々とあばかれていった。

 

社長の息子はかつて幼少期にパンの窯(かま)で顔に大やけどを負い、顔に重い後遺症が残ってしまった。

息子を不憫に思った社長は、新しい顔をパンで作ってあげることを思いついた。

パンで作った新しい顔は息子には大好評だったが、そのまま社会生活が出来るほどの精神的な回復には至らず、家に引きこもりの生活を余儀なくされた。

社長は息子に対し、学校にも通えず申し訳ないという思いから近所で拾ってきた「犬」に息子の友達となるように訓練を施した。

その「犬」が想像以上に優秀で、あっという間に一流のパン職人にまで成長してしまった。

という経緯であった。

 

週刊誌の取材に対し三鷹ベーカリー社長はこう回答する。

 

三鷹ベーカリー社長談話)
犬はまた拾えばいい。私の作るパンはもう役割を終えた。工場の方は端子に一任する。私は趣味の車いじりを続けたい。車の外装をパンの顔にするんだよ。傑作だよなぁ。実を言うと東京は私には合わなかったんだ。だから正直ほっとしているんだ。人目の付かない山奥で好きな事だけをやって生きていきたいなぁ。

 

社長とその息子、そして「犬」との友情物語に世間の溜飲がさがり、炎上の炎はまたたくまに消えてしまった。

 

そしていまや有名ブロガーとなったカバオであったが、顔をネットに出し始めた頃から彼自身が炎上のネタになってしまっていた。炎上の理由は、彼の顔が「うがい薬」のパッケージに似ているとのことであった。

いつしかカバオも炎上キャラが板に付いてきて「これが本当のかば焼きだな」と今日も余裕の構えを見せていた。